こんにちは!建築士・インテリアコーディネーターの “K” です。
先週、ずっと気になっていたKAMIYA(神谷コーポレーション)さんの新しいショールームに行ってきました! 以前までは堺筋本町にショールームを構えられていたのですが、この度「無人ショールーム」という形で大阪梅田に場所を移して、リニューアル。
設計・リノベーションのプロ目線で「お、これはすごい!」と唸ったポイントや、KAMIYAさんのものづくりに対する熱いこだわりを前編・後編にわたりたっぷりとレポートします!
1.カフェの中を通り抜けて…新感覚の無人ショールーム
KAMIYAさんから事前にお送りいただいた案内文を頼りに、ショールームのある「毎日インテシオビル2F」へ。 「カフェの入り口を入った左手」と書いてあったのですが、行ってみてびっくりしました。
併設というレベルではなく、本当にCAFE de CRIE の中にショールームの入り口があるんです(笑)。このタイプのショールームは初めてで、入る前からちょっとドキドキ…
中に入ると、左手にはアバターが映し出されるモニターが。 裏でスタッフさんが操作しており、通常はこちらのアバターがお客さまを案内してくれるそうです。「ショールーム自体は無人ですが、アバターを通してスタッフがいろんな質問に答えますので、お施主さま一緒に来られた際も安心ですよ」とのこと。
それを聞き、「なるほど、だからカフェの中にあるのか!」と深く納得しました。見学が終わった後に、そのままカフェでお施主さまと「あのドア、どうでした?」なんてお茶をしながらじっくり打ち合わせができるような、素敵な配慮がされているんですね。
2.圧倒的!な高さ3mのフルハイトドアとKAMIYAさんならではの価格システム
ショールームに入ってまず目に飛び込んできたのが、目の前にそびえ立つ高さ3mの建具。

「これがMAXの高さになります」「3mのサイズを標準で用意しているのは弊社だけです」という言葉の通り、存在感がすごい…
この3m高を「標準で」用意しているKAMIYAさん。実は、フルハイトドアならではの「価格システム」を採用されています。
一般的な既製品のドアの場合、幅や高さが決まっています。そして、そこからサイズを変更すると「オーダー品」として一気に値上がりするんですよね…。
しかしKAMIYAさんの場合、「高さのレンジ(例:600〜2406mm、2406.5〜2700mmなど)」で価格を決めているので、 そのレンジ内であれば、1mm単位で自由にサイズオーダーが可能(むしろ在庫ストックを持たない完全受注生産)なんです!これなら、現場の天井高にピタッと合わせた美しいおさまりを、コストの跳ね上がりを気にせず計画できますね。
(※幅の変更はオーダー扱いになるのでご注意を!)
3.「枠なし」の美しさを極める!:ステルス枠 vs インワード枠
KAMIYAさんの代名詞といえば、枠が見えないすっきりとしたおさまり。ショールームでは模型を使ってその仕組みをじっくりお聞きしました。
① スタンダードな「ステルス枠」
まずは標準仕様の「ステルス枠」。こちらは手前に開く側(表側)を美しく見せるための枠です。

枠の代わりとなる下地材を事前に壁に仕込んでおき、その下地材ごとクロスを巻き込んでから扉を取り付けます。これで、表から見たら完全に「枠なし」のフラットな壁面が完成します。
ただ、裏から見ると、ほんの少しだけパッキンが見えるのがこれまでの課題でした。

② 進化した内開き「インワード枠」
そこで登場したのが、この画像向かって左の「インワード枠」!(KAMIYAさんHPより)

ステルス枠とは逆に「内開き」に対応したもので、建具の端部をL字にしゃくった形状にすることで、反対側から見ても金物や隙間が目立たない、極限まで美しい立面を実現しています。


スチールの特注ドアなどではこうした加工を見かけますが、既製品の木製ドアでこれをやってのけるのは本当にすごい。どこから見ても惚れ惚れする美しさです!
③リノベで大活躍!工期を短縮する「2方枠(インセット枠)」の知恵
これだけ美しい枠なしドアですが、受注生産のため納期がそれなりにかかるのだけが難点…。 そこで、スピード勝負になることが多いリフォームやリノベーションにおいて、スタッフさんがおすすめしてくれたのが「2方枠(インセット枠)」です。

これが実に理にかなった仕様でした!
-
クロス工事を止めない工夫:
枠の形状に合わせた専用の下地材だけを先に現場に届けて壁に仕込み、そのままクロスを巻いて仕上げておきます。ドア本体(枠含む)が届くのを待たずに内装工事をどんどん進められるため、短工期のリノベでもしっかり対応可能です。
-
リノベ現場に嬉しい「立ち(垂直)の調整代」:
新築と違って、既存の壁の垂直(立ち)が狂っていることが多いリノベ現場。この2方枠仕様なら取り付ける際に、この「枠」部分で微調整ができるため、施工のしやすさも抜群です。
2方に枠は出てくるのですが、見つけ幅にこだわっているんので、枠があってもすっきりした佇まい…。設計者の要望や、現場のリアルな困りごとを解決する工夫がこれでもかと詰まっていますね。これぞメーカーの方に直接お話を聞く醍醐味です!
4.ミニマリズムの極み!ディテールへのこだわりが凄すぎる
続いて扉の面材やハンドルなどのラインナップを見せていただきました。
面材ラインナップ
「F/S」「PALIO」「CUBE」「Nsense」「SIANA」などたくさんの種類がありますが、基本としては「CUBE(プレーンなニュートラルカラーのシート仕上げ)」と「Nsense(美しい木目調のシート仕上げ)」の2つをベースに考えておけばバッチリとのこと!

面材の中で、一番高級仕様の「DANTE(天然突板仕上げ)」については、周囲の内装に合わせて「光沢」か「マット」かを選ぶことができ、細かい部分まで配慮されていました。
因みに、このカラーサンプル達。収納扉の中にずらりと並んでいるのですが……そもそもその収納扉自体が、枠がなく天井までぴったり!取っ手も極小で、パッと見は完全に「ただの壁」に見える美しさでした。
一般的なメーカーの収納扉は、指を挟んでも痛くないように角が「R形状(丸み)」になっているんですが、この収納扉は角が直角!「美しさ」を最優先して、あえてピン角(角出し)に仕上げているそうです。 開発から10年以上経つそうですが、特に指詰めのクレームはないとのこと。美しさへの執念と、実行力がすごいです…
マグネットで試せる!ドアハンドルと引き手
カラーサンプルの隣の扉を開けると、今度は引手やドアハンドルがずらり。

先ほどの建具の面材サンプルですが、マグネットが仕込まれているため、実際にハンドルをくっつけることが可能です。これはお施主さまと来たら絶対に盛り上がる仕掛けですね!
また、この両開き収納扉は、並べて設置したときに間仕切り壁や柱が出ないよう、裏側の支持材(方立)の幅をわずか30mmまでスリム化しています。扉同士が隙間なく連続する、ノイズレスな壁面収納が作れるおさまりは圧巻でした。
前編のまとめ:ドア一つで空間は劇的に変わる
KAMIYAさんの「枠を隠す、ノイズを消す」という徹底的なこだわり、いかがでしたでしょうか? たかがドア、されどドア。ミリ単位の美しさにこだわるだけで、インテリアの洗練度は何倍にも跳ね上がります。
続く【後編】では、
-
設計のプロが思わず唸った、画期的な「引き込み戸」のメンテ方法
-
Akistの今後の実例として大本命!「好みの仕上げ材に変えられる扉」と「ショーケース化するガラス扉」
-
ドアの反りは永久保証!?KAMIYA誕生の以外な歴史
など、さらに濃い実用的なアイデアをたっぷりお届けします!
また、KAMIYAさんの2026年度カタログはこちらから閲覧可能です!
→2026セレクトカタログvol1
それでは次回もお楽しみに!




