【ショールームレポ/後編】大阪梅田に誕生!KAMIYAの「無人ショールーム」で見た、空間美を極める“枠なし建具”達

ショールーム内からカフェを見た様子

こんにちは!建築士・インテリアコーディネーターの “K” です。

前回に続き、大阪梅田に誕生した「KAMIYAさんの無人ショールーム見学レポ【後編】」をお届けします。 前編では「枠なしドア」の拘りのディテールや施工の工夫についてご紹介しました。後編はさらに一歩踏み込んで、「空間の魅力を最大化する、具体的な設計アイデア」「KAMIYAさんのものづくりにかける圧倒的なプライド」についてお伝えしていきますね。

Akistが今後の設計・リノベーション提案でぜひ取り入れたいと思った大本命のアイデアも満載ですので、ぜひ最後までお楽しみください!

空間をやんわり仕切る「格子扉」と、圧倒的存在感の「大判ガラス框戸」

ショールーム内を歩いていると、インテリアの主役になるような魅力的な建具が次々と登場します。

空間の雰囲気を一変させる「格子扉」

まず目を惹かれたのが、繊細なグリッドが美しい「格子扉」です。

格子扉

格子の中にはあえてガラスなどを入れず(※オプションで追加も可能)、光や風、気配を心地よく通すデザインになっています。和のデザインのようでありながら、現代のモダンな空間にも自然と溶け込む佇まい。 「玄関からリビングへのアプローチ」や「書斎スペースの仕切り」など、空間をやんわりと仕切りたいシーンでぜひ提案してみたい建具でした!

ドラマチックな空間をつくる「大判ガラス框のスイングドア」

大判ガラス框戸

次に出会ったのが、迫力満点の「大判ガラス框(かまち)のスイングドア」です。

大きな1枚ガラスを上質な木枠で囲んだこの扉は、存在感抜群。海外では、木目のフラットな面材でスイングドアを作って隠し扉のように仕上げる事例も多いそうです(現在のラインナップではフラットの面材はないですが、今後リリースも検討しているとのこと)。

このドアですが、名前がまた面白くて…カタログを見ると「solist」という商品名の後に「バレエダンサーのようにエレガントに回転する大きな扉」と説明が続きます。こういう、コンセプト味にあふれた、商品ごとの表現もユニークで楽しいですね!

このガラス框戸をリビング中央に観音開き(両開き)で設置して、普段はクリアな解放感を楽しみつつ、ゲストがたくさん集まるときにはバーン!と豪快に開け放つ……なんて使い方ができたら、絶対に楽しい空間になるだろうな~とニヤニヤ見入ってしまいました。

驚きの仕掛け!鏡付きノイズレスフルハイト「fit」

ショールームの後半で見せていただいた中で、ユニークだったのが鏡付きのフルハイトドア「fit」です。

ミラーガラス

ミラーガラス(両引き分け)

一見するとスタイリッシュな大型の姿見(鏡)に見えるのですが、なんとこれがそのままドアになっています。枠のないノイズレスなデザインのおかげで、閉めているときは「ただの壁面ミラー」にしか見えません。

この「fit」、開け方にかなりのバリエーションがあるのが大きな特徴! 引き分け(両開き)などで施工すると、鏡の壁がシャッと左右に開いて奥から空間が現れるという、かなりの迫力と演出効果があります。「この奥には一体何が隠されているんだろう!?」とワクワクさせてくれる、秘密基地のような仕掛けができそう!

スイング戸もあるので、「玄関の姿見が実はスイングドアで、背後には隠しクロークが…!」(←ショップとかで、鏡の背面がスタッフルームになっていたりしますよね!あのようなイメージです。)とかもできちゃいますね。あ~わくわく!

Akistで提案したい!「リブ壁と同化する隠し扉」と「美しいガラス収納」

そして、今回「具体に提案してみたいな!」のヒントがあったのが、「社長の個室」をイメージしたという特別ブースでの展示でした。

アイデア①:F/S×リブパネルで創る、完全に壁と同化する「隠し扉」

ブースの奥には、フラットなパネルドア(F/S)の表面にブラックのリブ(波状の凸凹材)を貼った、壁と完全に一体化したドアが展示されていました。

F/Sの表面にリブパネルを貼って、壁面と同化させている様子

これを見た瞬間、「これ、うちのテイストでアレンジしてみたい!社長室のテイストとはまた違う恰好さが叶う!」と確信。 例えば、温かみのある木のリブパネルを壁一面に貼り、ドアの表面にも同じリブを綺麗に連続させて貼ることで、壁と同化する「完全な隠し扉」をつくる。

そんな、ホテルライクで遊び心あふれるリビング提案をしてみたいと、アイデアがどんどん膨らみました。

アイデア②:FINAで魅せる「ショールームのようなガラス収納」

もう一つ目を奪われたのが、極細の黒フレームが美しいガラス扉の収納「FINA(フィーナ)」。

FINAで作ったショーケース

中にLED照明が仕込まれており、扉を閉めていても、裏の棚に飾ったアイテムがまるでショールームや美術館の展示のように美しく浮かび上がります。Miratapさんのクアドロスリムのように、基本は間仕切りの扉で使うのが一般的だと思うのですが、 このガラス収納をリビングのコレクションボードなどで実現できれば、空間の質感が一気に跳ね上がること間違いなしです!

衝撃のアンケート結果から始まった「27番目の逆襲」

ショールームの引き込み戸の戸袋の壁(!)に大きく掲げられていた、「27番目からの逆襲」というメッセージ。

「27番目の逆襲」のテキストが書かれた壁

約20年前、家づくりをする人たちに「こだわるパーツ」を聞いたアンケートで、室内ドアは30項目中、なんと下から数えた方が早い「27位」だったそうです。 当時、ハウスメーカーの下請けとして建具を製造していたKAMIYAさん。しかし、この結果を見た社長が「それなら、みんなが『これにこだわりたい!』と一目惚れするような、主役になるドアを作ろう!」と決意。その翌年にリリースされたのが、天井まで届く「フルハイトドア」でした。

当時はまだ下請け業務がメインだったため、リスクを伴う舵切りでしたが、「新しいことをやるときは、やらないことを決める」という信念のもと、徐々に下請け業務を減らし、フルハイトドアに絞り込んでいったそうです。

そんな挑戦と努力の末に、今では「フルハイトドアといえばKAMIYA」という絶対的なポジションを確立されました。 そして、背が高くなればなるほど懸念されるドアの「反り」に対して、KAMIYAさんはなんと「永久保証」を約束しています。この言葉に、ものづくり企業としての確かな技術と、圧倒的な自負が表れていますよね。

富裕層の心を掴む「無駄の美学」

見学の最後、スタッフさんからとても興味深いお話を伺いました。

「高級なインテリアの提案において、お客様に一番響くのは何だと思いますか?」 私が少し考えていると、スタッフさんは笑顔でこう教えてくれました。

「一番響くのは、実は『無駄なこと』の提案なんです。本当に豊かな人は、『お金がないと、こんな無駄なものは作れないよね』という心の余裕、つまり機能性だけではない贅沢を求めていらっしゃいます」

これは本当に、目からウロコでした。 ただ動線が良いから、ただ収納が多いから、という実用面だけでなく、一見すると合理的ではない“無駄”こそが、住まいの格式を上げ、暮らす人の心を豊かにする。

購買者の心理、そして心地よい空間の本質を理解しきっているKAMIYAさんだからこそ、ここまで尖った美しい製品を生み出し続けられるのだなと納得しました。

後編のまとめ:これからの空間づくりに向けて

濃厚な45分間のショールーム見学を通じて、私が一番胸を打たれたのは、KAMIYAさんの「現場の声に寄り添うスピード感と姿勢」でした。

「スタイリッシュでお高くとまっているのかな?」と思いきや、

  • 「収納扉の幅が、一般的な建築のモジュールに合わなくて不便」という設計者の声があれば、すぐに標準幅を見直す。

  • 「ステルス枠の裏側のパッキンが気になる」と言われれば、すぐにインワード枠を開発する。

自社の「既製品建具」という枠組みに対して、中小企業ならではの圧倒的なスピード感と柔軟性でアプローチし、常にアップデートし続けている。その姿勢は、私たちAkistが目指すお客様目線の家づくりとも深く共鳴するものでした。

今回の見学で得たたくさんの刺激と具体的なアイデアを活かして、これまでにない「建具から考える美しい空間づくり」をみなさんにお届けしていきたいと思います!

KAMIYAさんのショールーム、本当に行ってよかったです。 皆さんも、新築やリノベーションをお考えの際は、ぜひ一度梅田の無人ショールームでこの「枠なし・フルハイト」の世界観を体感してみてくださいね!

KAMIYAさんの2026年度カタログはこちらから閲覧可能です!
2026セレクトカタログvol1

神谷社長の、商品開発におけるインタビュー記事もとても参考になるので、ご興味ある方はどうぞ!(途中まででも読み応えがあります)
【神谷コーポレーション湘南社長インタビュー】室内ドア「27番目からの逆襲」へ(インタビュー) :: リフォーム産業新聞

それでは、また次回のブログもお楽しみに!